妊産婦のための予防歯科ガイド
・予防歯科って?
・妊娠期別に解説!オーラルケア
妊娠中&出産後の歯について
![](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/line1.png?20230706)
ママと子どものむし歯の関係
妊娠中は口内環境が変化し、歯や歯ぐき(歯肉)のトラブルが起こりやすい時期。むし歯があるママの子どもには、むし歯が多いことも報告されています。妊娠中からしっかりとした歯みがきで予防歯科を実践することが大切です。
![歯と赤ちゃんをイメージする妊婦](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/teeth_img1.png?20230706)
![ママのむし歯があるなし時における、2歳児のむし歯の割合](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/cavity_rate.png?20230706)
出典:「妊婦と歯科治療とカウンセリング」東京臨床出版
妊婦さんと歯周病
歯周病に罹患した妊婦では、早産および低体重児出産へのリスクは増加します。(歯周病と全身の健康;特定非営利活動法人日本歯周病学会編(2016))また、妊娠高血圧症候群のリスクにも繋がることがあります。妊娠中は、女性ホルモンが増加することにより、歯周病原因菌が繁殖しやすくなります。歯周病になると、体内の自分を守ろうとする細胞から、出産のサインになる物質が過剰に作られます。そのため、子宮収縮を促進し、早産を誘発し低体重児出産となるとされています。妊娠前からの歯周病の予防や治療は元気な赤ちゃんのためにも大切です。
![胎児イメージ](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/baby_img1.png?20230706)
![女性ホルモン(エストロゲンの変化)](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/hormone_chart1.png?20230706)
予防歯科って?
![](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/line2.png?20230706)
予防歯科って?
予防歯科とは、むし歯などになってからの治療ではなく、なる前の予防を大切にすることです。歯とお口の健康を積極的に守るため、歯科医院などでの「プロケア(プロフェッショナルケア)」と、歯科医や歯科衛生士の指導に基づいた毎日の「セルフケア」の両方で、「予防歯科」を実践しましょう。そのためにも、歯科医院での定期的な健診が大切です。
![歯科医師と歯科衛生士と歯を磨く妊婦](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/teeth_img2.png?20230706)
![プロケア・セルフケア](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/care_img1.png?20230706)
妊娠期別に解説!オーラルケア
![](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/line3.png?20230706)
![妊娠初期](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/pregnancy1-2.png?20230706)
妊娠初期(~13 週)
妊娠により、女性ホルモンが増えることで口の中の状態は大きく変化します。口の中を正常に保つ唾液の分泌が低下してしまい、トラブルになりやすい時期です。また、つわりがひどい場合は歯ブラシを口にするのも苦労しがちな時期でもあります。
オーラルケアのポイント
・体調の良い時間を選んで歯みがきをする
・ヘッドが小さい歯ブラシを使う
・香料が強いハミガキ剤は避ける
・デンタルリンス(マウスウォッシュ)を使う
![時計と歯ブラシとマウスウォッシュ](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/pic_img1.png?20230706)
![妊娠中期](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/pregnancy2-1.png?20230706)
妊娠中期(14~27 週)
一度に「食べられる量」が減ってしまうため、空腹状態になりやすく、間食などの「食べる回数」が増えやすい時期。妊娠中は唾液の量が減り、自浄作用が弱まるため、食後の歯 みがきによるケアが重要です。この時期は、体調も比較的安定しているため、歯科治療はこの時期が適しています。妊娠末期に入ってお腹が大きくなるとあお向けで治療を受けるのが大変です。何か悩みがある場合は、この時期には歯科医院に相談しに行きましょう。
妊娠時の歯科治療のポイント
【受診時の注意点】
歯科治療に当たっては母子健康手帳を提示して、産婦人科医から注意を受けていることは必ず歯科医に伝えましょう。できるだけ楽な姿勢で治療を受け、体調や気分が悪くなった時は遠慮なく歯科医に伝えましょう。
歯科治療に際しての心配事
【エックス線撮影の胎児への影響】
歯科治療で通常用いられるエックス線の放射線量はごくわずかです。撮影は口の周りだけで、子宮から離れているので、お腹の赤ちゃんには影響はないと考えられており、妊娠に気づかずレントゲンを撮ったとしても心配ないと言われています。妊娠していることを伝えて、いつものように防護用エプロンを着用させてもらいましょう。
![歯のレントゲン写真イメージ](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/pic_img2.png?20230706)
【歯科治療時の麻酔の使用】
通常の歯科治療に用いられる麻酔は局所(必要な部分だけの麻酔で、一般的には使用量もわずかです。
局所で分解されるため、胎児には影響はありません。痛みを我慢しての治療は、母体にも胎児にもストレスになるため、適切に使用した方がよいと思われます。ただ、以前に歯科麻酔薬でトラブルがあったり、効きが悪く多量に使ったなどの経験がある場合は、歯科医とよく相談する必要があります。不安が強いようなら、出産後に治療を考えてもよいでしょう。ただし、赤ちゃんの世話をしながらの通院は大変かもしれません。
![注射と薬イメージ](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/pic_img3.png?20230706)
【薬物の服用】
妊娠初期はできれば薬物の服用を避けたいものですが、中期以降の歯科治療で処方される薬剤は、妊娠中でも安全に使用できる薬剤が選ばれていると思います。不安、心配がある場合は、歯科医や薬剤師に相談しましょう。
オーラルケアのポイント
・食べたらみがく
・力を入れすぎずにみがく
・デンタルフロスや歯間ブラシを使う
![ドーナツと歯磨きグッズイメージ](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/pic_img4.png?20230706)
![妊娠末期](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/pregnancy3-1.png?20230706)
妊娠末期(28 週~)
日々の仕事や家事に加え、出産準備で忙しくなり、つい歯みがきをおろそかにしてしまいがちな時期。ママの口が不健康だと赤ちゃんにも影響してしまう可能性があるため、出産準備とともに正しいオーラルケアも心がけましょう。
赤ちゃんが生まれたあとも気をつけましょう!
生まれたばかりの赤ちゃんの口には、むし歯の原因となる細菌(ミュータンス菌など)はいませんが、むし歯になってしまう赤ちゃんもいます。パパやママが使ったスプーンで赤ちゃんに食べさせたり、噛み砕いたごはんをあげたり、またキスしたりすることによって、唾液の中にある細菌を赤ちゃんにうつしてしまうことがあります。ですが、これらの行為全てが、むし歯となる細菌をうつすわけではありません。愛情込めた口うつしや間接キスなど、赤ちゃんとのスキンシップを取ることは重要なことですから、パパやママは赤ちゃんのためにも、日々のオーラルケアに気を付けてむし歯菌を少なくしておくことが大切です。
![虫歯菌とお母さんと赤ちゃんイメージ)](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/pic_img5.png?20230706)
オーラルケアのポイント
・食べたらみがく
・力を入れすぎずにみがく
・デンタルフロスや歯間ブラシを使う
![ドーナツと歯磨きグッズイメージ](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/pic_img4.png?20230706)
![](https://www.kenkousmile.jp/cms/wp-content/themes/kenkousmile/assets/img/pregnancy/line3.png?20230706)